【戦前の妙見鋼索鉄道】十国峠ケーブルカーに乗ってきました

 

【目次】

 

【概要・歴史】

妙見の森ケーブルの線路の幅は、

鉄道線と同じ「標準軌」と呼ばれる1,435mm。

 

能勢電鉄さんの妙見の森ケーブルのホームページには

『電車と同じ幅のケーブルカーは全国的にも非常に珍しく、妙見の森ケーブルと、他1箇所のみなんです!』

と書かれています。

 

では、その他1箇所というのは……

かつてその路線は妙見の森ケーブルの前身である『妙見鋼索鉄道』

運行していた、妙見ケーブルの『上部線』という路線でした。

現在の妙見の森ケーブルは戦前は下部線だったので、

まさに双子の兄弟だった路線ということになります。

 

歴史を紐解くと、妙見鋼索鉄道は1925年(大正14年)に開業し、

賑わいをみせるものの戦時中に不要不急線として

上部線、下部線ともに撤去。

その後、下部線は1960年(昭和35年)に復活し、

現在でも『妙見の森ケーブル』として運行されています。

対する上部線はケーブルではなく『妙見の森リフト』

として整備されました。

ケーブル山上駅からふれあい広場駅の間に長い急坂「いろは坂」が

あるのも、この名残と思われます。

(ケーブル山上駅~ふれあい広場駅間の急坂「いろは坂」)

 

では撤去された上部線はどうなったのか?

全て溶かされて零戦にでもなってしまったのか?

いいえ、能勢妙見から実に326kmも離れた遠い遠い熱海の地で、

2020年(令和2年)現在も走り続けています。

それが今回ご紹介する、伊豆箱根鉄道の

『十国峠ケーブルカー』となります。

 

十国峠(じゅっこくとうげ)は、かつて

『十国(伊豆・駿河・遠江・甲斐・信濃・武蔵・上総・下総・安房・相模)を展望できる』

ということから名付けられた、日金山の別名。

静岡県の熱海市と田方郡函南町の境目に位置します。

(報道などでは十は「じっ」と読むのが正しいとされていますが、固有名詞なのでまぁ。。)

 

その名に恥じず、十国峠駅周辺の展望台や山頂からの眺めは絶景。

天気が良ければ東京タワーや東京スカイツリーも

見えるのが売りですが、筆者が訪れた日は至近の富士山にすら薄雲が……

近々またリベンジしたいところです。

 

妙見ケーブルに話を戻すと、

撤去された上部線の線路や機材が遠く伊豆に運ばれ、

十国峠ケーブルカーとして開業したのは戦後の

1956年(昭和31年)の10月16日。

実は下部線が復活した妙見の森ケーブルより歴史が長いんです。

 

車両は十国峠ケーブルカー開業にあわせて新造されたもの。

しかし台車は旧妙見ケーブルのものを流用したそうで、

その関係で日本に唯2つの『標準軌のケーブルカー』の

片割れとして現在に至ります。

 

下部線(現在の妙見の森ケーブル)も、車両は

戦後1960年(昭和35年)の再開業を前に新造されたものなので、

車体は本当に第二次世界大戦で日本軍に供出されてしまったのかもしれません。

(巻き上げ機などの現存する設備は、搬出直前に戦争が終結し、かろうじて溶鉱炉行きを免れたそうです)

 

【ギャラリー】

(※画像クリックで拡大表示や保存ができます。スマートフォンの場合は横向け推奨です。)

① 外観・駅施設や周辺など編

 

② 車両編

 

③ 設備編

 

④ 眺望編

【アクセス】

  1. 大阪からJR熱海駅へは、JR新幹線または在来線で。
    • 新大阪から熱海へ新幹線を使うと片道12,100円もかかるので、東京方面へ旅行や出張があった際のついでに立ち寄るのがオススメです。
    • (東京⇔熱海は在来線を使えば乗換なしで1,980円。新宿発なら小田原まで小田急線を使うとさらに安くなります。)
  2. JR熱海駅から「伊豆箱根バス」の元箱根行きに乗車し、所要時間約40分で十国登り口駅。バスの運賃は片道650円。(2020年11月現在。バス停の位置は下図参照)
    • バスは朝から夕方にかけて1日5~6往復運行。(最新情報は伊豆箱根バスHPでご確認ください)
  3. 十国峠ケーブルカーは通常は15分間隔で運行。

 

【関連リンク】(参考文献)

 




(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)

鉄道コム

Author: Barnirun
ある時はとあるシステム屋、ある時はとある三流音屋、ある時はとある宴会カメラマン、そしてある時はとあるのせでん沼。

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