【コラム】下り日生急行が走ることはもう無いのだろうか?

のせでんコラム,能勢電ニュース


 


目次


概要・背景

<前回の記事>

 
2024年11月18日夕方、阪急宝塚線。

架線にビニール袋が飛来・付着したため、
除去と安全確認のために数十分間の運転見合わせが発生。

そして車両運用が乱れたため、
当日夜の特急日生エクスプレスは川西能勢口で打ち切られることになりました。

『どうして運転再開しても特急日生エクスプレスは川西能勢口打ち切りになるのか?』
 
⇒無線機器や運転士の習熟などの都合で、能勢電線内に乗り入れが可能な車両は限られています。この日は既に夕方ラッシュの時間が近づいており、車両のやり繰りが間に合わないと判断されたのでしょう。

今回も
「特急は川西能勢口で打ち切り」
「のせでんは日生急行を出して対応」
になるものと思いきや、前例のないダイヤ形態が見られました。

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カッコイイ!能勢非対応形式の特急たち

というわけで、阪急宝塚線は
運転を見合わせていた約30分の遅れを引きずったまま夕ラッシュに突入。
特急日生エクスプレスにも30分前のスジの列車がそのまま充当されました。

その中でも特筆すべきは
1本目に5100系5104Fが入ったところ。

過去に『特急』はあれど、
『特急日生エクスプレス』に5100系が入るのは
1997年の運行開始以来初めてではないかと言われています。
「5104かも」というツイートを17時半の定時と同時に見かけ、居ても立っても居られず仕事もコップ洗うのも翌日に回し梅田へ猛ダッシュして向かいました

 

1本目:5104F
先述の通り、おそらく特急日生エクスプレスは初充当。
能勢線内への入線実績もありません。
能勢の5100系には「特急日生エクスプレス|川西能勢口」の側面幕がありますが、阪急車には無いため白幕。
川西能勢口に到着後は雲雀丘花屋敷へ回送され、そのまま入庫。

 

2本目:1013F
3代目「SDGsトレイン 未来のゆめ・まち号」
として日々のせでんに乗り入れる編成ですが、
一部編成だけ直通するとダイヤもお客さんも混乱するため、一律で7本全て川西能勢口どまり。
そのため「特急日生エクスプレス|川西能勢口」の激レア表示が見られました。
川西能勢口に到着後は雲雀丘花屋敷へ回送され、折り返しで本線運用へ。(以後7本目まで同じ)

 

3本目:1009F
こちらも「大阪・関西万博 ラッピング列車」
として日々のせでんに乗り入れる編成ですが、先述の理由で川西能勢口どまり。
「特急日生エクスプレス|川西能勢口」の激レア表示が見られました。

 

4本目:6005F
2003年のダイヤ改正時から日々のせでんに乗り入れていた編成。
ですが、2018年12月を最後に1000系に役目を譲って乗り入れを終了していました。
今回、約6年ぶりに「特急日生エクスプレス」表示で営業運転に入りました。

 

5本目:8007F
1997年の特急日生エクスプレス運行開始時からのせでんに乗り入れ続けている編成。
2021年のリニューアルでクロスシートが無くなったもののまだまだ現役です。

 

6本目:9003F
9000系はのせでん非対応形式。
2011年に当編成がデビューして以降、おそらく特急日生エクスプレス表示の営業列車は初。

 

7本目:1003F
最後は2014年のデビューから10年にわたって日々のせでんに乗り入れる編成。
「特急日生エクスプレス|川西能勢口」の激レア表示が見られました。

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一方のせでんには異変が

以前の記事でご紹介の通り、
久しぶりに日生急行が5号線から発車して特急の代わりをつとめる……

と思いきや、
川西能勢口駅で5104Fを降りると5号線は空っぽ。

そして、
日生急行の代わりに各駅停車を増発して4号線から出す
という前例のない展開に。

 

1本目:5148F(18:26発)
18:22発の5108Fが発車後、すぐに4号線に5148Fが滑り込んできました。
この日は朝ラッシュだけ運用後、平井車庫で点検を受けて帰ってきたところ。
特急からの乗り換えで5108Fに間に合わなかった(or積み残した)お客さんを吸い込んで、すぐに発車。

 

2本目:5136F(18:46発)
18:32発の1755Fと18:42発の5146Fがほぼ定刻で発車後、しばらくして入ってきたのは5136F。
この日はトラブル時に出動できるよう「予備車」のスペースに待機していました。
絹延橋駅付近で踏切の安全確認があり到着が遅れ、ものの1~2分で発車していきました。

 

3本目:5138F(19:06発)
18:52発の7202Fと19:02発の7201Fがほぼ定刻で発車後、すぐ入ってきたのは5138F。
この日は一日車庫で寝ているはずが、今回のトラブルで叩き起こされた形です。
この時間帯が(筆者個人的に)最もホームが混みあっていた気がします。

 

4本目:5148F(19:26発)
臨時列車1本目が日生中央に到着後、川西能勢口まで回送され4本目に。

 

5本目:5136F(19:46発)
臨時列車2本目が日生中央に到着後、川西能勢口まで回送され5本目に。
1~3本目の時間帯と比べると少しずつホームの混雑もマシになってきています。
日生中央到着後は平野へ回送入庫です。

6本目:5138F(20:06発)
臨時列車3本目が日生中央に到着後、川西能勢口まで回送され6本目に。
日生中央到着後は平野へ回送入庫です。

 

7本目:5148F(20:26発)
臨時列車4本目が日生中央に到着後、川西能勢口まで回送され7本目に。
日生中央到着後は平野へ回送入庫です。

 

本来のダイヤなら特急日生エクスプレスは20:19発が最終です。
それをこえた20:26発まで臨時列車で対応される能勢電鉄さん……
現場の皆様、お疲れさまでした。

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ダイヤ考察

<おことわり>
この章は【ぼくのかんがえた】要素がふんだんに含まれています。
鉄道ファンには「撮り鉄」「乗り鉄」「音鉄」「収集鉄」など様々なジャンルがありますが、今回は実在しない鉄道を扱う「妄想鉄」に該当します。苦手な方は次の章までジャンプしてください。

ここからは、
今回の能勢電鉄さんの臨時ダイヤについて
独断と偏見にまみれた考察と、今後の予想を
チラシの裏にでも書いてろと言われながら記してみたいと思います。

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今回の結果

今回と、以前の日生急行が出ていた時の各種状況を図で比較してみます。

 今回(各停)過去(日急)
臨時列車の本数7本最大7本
必要編成数3編成最大3編成
臨時列車の時刻18:26~20:2618:19~20:19
特急からの
乗り換え時間
所定7分
余裕あり
所定0分
乗り換え不可
趣味目線のレア度☆☆☆☆☆
乗務員シフト調整たぶん難たぶん易
 今回(各停)過去(日急)

まずなんといっても乗り換え時間です。

これまでは、
特急の代わりとして運行されていた日生急行は、特急の代わりとして運行されていました
(※●●●構文)

そのため時刻も特急と全く同じ。
これでは川西能勢口で特急を降ろされた乗客が、日生急行に乗り換える時間がありません
(それどころか遅延で特急到着よりも先に日生急行が発車してしまうことも多々)
20分後の日生急行に座ろうと5号線で待っている乗客もかつては多数おられましたが、
基本的には各駅停車だろうが急行だろうが、先発先着の列車に需要が集中していたように感じます。

おそらくその課題を解決するために、
試験的に行われたであろう今回の輸送形態。

のせでんさん側も色々と手探りで、
今後につながるデータがたくさん取れたのではないかと思います。

急ごしらえ?のスタフなどから、
当日の運行形態はこのようになっていたものと推測されます。

青字=4連、茶字=2連、青太字=臨時4連、
 橙色破線=臨時回送、灰色破線=運休になった8連や回送等)

 
さて、ここからはそういったデータ(※)の中から、
今後に希望がもてそうなポジティブなものと、
今後が不安になりそうなネガティブなものを
いくつか挙げてみたいと思います。
(※本記事でのデータはのせでんさんではなく筆者調べ)

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今後の予想:ポジティブ編

ファン目線、利用者目線の両面で、
今後こうなってくれたらいいな~という願望。

①:臨時列車を5号線発急行に戻し、特急との接続改善

(イメージ)

今回は全て各駅停車だったX6分の臨時列車をその時間のまま急行に戻すことで、以下の効果が期待できます。

  • 特急から降ろされた乗客の乗り換え時間を充分に確保できる。
  • 川西能勢口駅で5号線発車に戻すことで停車時間を長く確保することができ、乗客のホームでの待ち時間やホームの混雑を緩和できる。

 

②:各駅停車の時間を変更し、山下での接続改善

(イメージ)

これは臨時ダイヤというより次期ダイヤに向けた話ですが、
今回の臨時列車は山下で妙見口ゆきとの接続が取られていました
(というより現行ダイヤが特急しか山下で接続できていない)
現在はX1~X2分に発車している各駅停車の発車時刻をX4~X6分に変更すれば、妙見口ゆきとの接続も改善。
さらに川西能勢口駅で阪急の上下線急行(一部)との連絡も取れるように戻せそうです。

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今後の予想:ネガティブ編

ファン目線、利用者目線の両面で、
今後こうなってしまうとヤダな~という悲観。

①:もう今回のダイヤでよくね?急行いらなくね?

特急1~3本目のあとはホームが大混雑しましたが、
あふれそうなほど危険!!というレベルでもありませんでした。

今回の臨時ダイヤでも乗客を問題なく捌ける、
という前例が出来たため、日生急行なんてファンサービスは辞めて今後もこの体制をとる可能性は十分にあります。
何といっても接続時間の利便性は今回の各停7本の方が良かったわけですしおすし。

 

②:特急なくても何とかなっちゃうね!減らそうか!

これは臨時ダイヤというより次期ダイヤに向けた話ですが、
5~7本目あたりはけっこう乗車率が下がっています。
日生中央まで8両編成が必要か?各停でまかなえるのでは?というほどのレベルです。
(そして今回、ここまで輸送力が減っても何とかなることが証明されてしまった)

次期ダイヤでは朝はともかく、
夜の特急日生エクスプレスは7本維持されないかもしれません。

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編集後記

今回は事故とか不謹慎なものではないため
鉄道ファンの間でここまで盛り上がる「祭り」に発展しました。
(その割にはマナー極悪奴が現れることもなく、各地平和でした。)

……が、能勢側は今後に不安が残る結果に。

今後のことは中の人たちのみぞ知る所です。
が、本記事で好き勝手に記載した内容のうち、ポジティブなものばかりが出てきますように。

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(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)

 
鉄道コム


【直近の鉄道イベント情報】

Tetsudo.comより)


 

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