【コラム】ナニワ工機製の電車は全国にどれぐらい残っているのか?

のせでんコラム,鉄道コラム


前置き

先日SNS上で、
『阪急・能勢あわせて「ナニワ工機」の製造銘板が見られる現役車両はもう1700系の8両しかいない』
というポストを見かけました。

こんな感じで車内または車外にあります
 

ナニワ工機とは?

1947年5月に京阪神急行電鉄(後の阪急電鉄)の子会社として設立。
以降、1948年から1997年までの全ての阪急電車や、各社の鉄道車両・路面電車を製造してきました。のせでんの610系・1500系・1000系・1700系・3100系の車体もナニワ工機製です。
社名の「ナニワ」は、本社所在地のあった尼崎市北難波(きたなにわ)に由来したとされています。

 
ナニワ工機は鉄道車両以外にもアルミサッシ部門で
「アルミのナニワ」というブランドを確立し、
1970年にはそれを縮めた形で「アルナ工機」に社名を変更。
それ以降に製造された車両には
ナニワ工機ではなく「アルナ工機」の製造銘板が設置されています。

ナニワ工機 – Wikipedia

※その後、ナニワ・アルナ累計で5000両以上の
 鉄道車両を製造してきましたが、バブル崩壊で経営不振に陥り債務超過。
 2002年にアルナ車両、アルナ輸送機用品、アルナ矢野特車の
 3社に事業分割されて会社としては消滅しています。

 
そうか、もうそんなに減っているのか――
 

ということで、今回は1947年~1970年の
『ナニワ工機』が製造した車両に絞って、
日本国内に現存している鉄道車両をまとめてみたいと思います。

どの車両も現役の場合は既に50年選手や60年選手です。
引退する前に乗りに行きたい!!という際の参考にどうぞ。

 



現役車両・保存車の一覧

【凡例】

このリストは2023年12月作成、2024年7月更新時点のものです。

黒字:現役車両
(黒字):現役車両、ただし編成中この車両はアルナ工機になってからの製造
打消線:2023年以降に廃車(保存されたものは橙字)
橙字:保存車両(カットボディも含むが外観含めて完全非公開のものは除く

  • 能勢電鉄
    • 【1755F】1755-1735-1785-1705
    • 【1757F】1757-1737-1787-1707
    • 【鋼索線】 1(ほほえみ)・2(ときめき) 2023/12/04除籍
       ※橙字にしているが保存というよりは放置
    • (保存車)1552(吉川八幡神社 カットボディ)
       
  • 阪急電鉄3300系
    (※残存車は全車リニューアル済のため「ナニワ工機」製造銘板は無し)
    • 【3323F】3323-3427+3313-3413-3337-3813-(3953)-3363
    • 【3328F】3328-3425+3312-3412-3338-3812-3362
    • 【3329F】3329-3405-3343-3424-3342-3818-3353
    • 【3331F】3331-3407+3308-3408-3332-3808-3358
    • 【3305F】 2023/03廃車解体済
    • 【3330F】 2023/07廃車解体済、阪急からナニワ工機プレートが消滅
       
  • 阪急電鉄5000系
    (※全車リニューアル済のため「ナニワ工機」製造銘板は無し)
    • 【5001F】5001-5501-5551-5523-5503-5053
    • 【5002F】5002-5502-(5572)-5521-5541-5052
    • 【5004F】5004-5504-5554-5525-5505-5055
    • 【5006F】5006-5506-5556-5527-5507-5057
    • 【5008F】5008-5508-5558-5529-5509-5059
    • 【5010F】5010-5510-5560-5531-5511-5061
    • 【5012F】 2023/05/29廃車回送~解体済
       
  • 阪急電鉄 その他(保存車)
    • 初代2301-初代2352(正雀車庫、車籍なし動態保存状態)
    • 800・初代1010・5251(正雀工場 カットボディ)
    • 初代2801他(平井車庫 カットボディ)※他は公開履歴無し
    • 550(吉川八幡神社 カットボディ、ナニワ工機製造第1号
    • 復刻2050(吉川八幡神社 カットボディ、能勢1754に変身も可能)
    • 2861(京都府福知山市 個人宅)
    • 2311(兵庫県三田市 個人宅 カットボディ)
    • ※阪急5100系以降の現存車(8000系列まで)はアルナ工機製
       
  • 東武鉄道 8000系
    • ※アルナ工機製は残っているが、ナニワ工機時代の車両は全廃
    • 【8150F】 2023/11/07廃車回送~解体済
    • 【8561F】 2024/01/11廃車回送~解体済
    • 【8562F】 2024/02/19廃車回送~解体済
       
    • <参考>アルナ工機製で残存している8000系の一覧(2024年5月時点)
      • 6連:(8158F・8159F・8165F・8166F・8170F・8171F・81110F・81113F・81114F)
      • 4連:(8183F・8184F・8197F・8198F・81109F)
      • 3連:(801F・851F・804F・854F・805F・855F)
      • 2連:(8576F・8577F)
      • ※10000系列・30000系列にもアルナ製はあるが省略
         
  • 東武鉄道 その他(保存車)
    • モハ5703(東武博物館、東武納入第1号)
    • モハ1721(東武博物館)
      ※他の1700系・1720系は200系転用時に車体が更新されているため除外
    • クハ6222(群馬県大泉町 個人宅)
       
  • 三岐鉄道
    • 【北勢線】サハ130形 135・136(いずれも現在は中間車)
       
  • 広島電鉄
    • 【350形】352
    • 【1900形】1901~1911
    • 【3100形】3101A・3101C・3102A・3102B
       
  • 伊予鉄道(市内線)
    • 【モハ50形】51・54・66
    • 【モハ2000形】2002~2006
       
  • とさでん交通
    • 【600形】622~628・630・631
    • 【700形】701・702・703
    • 【800形】801・802・803・804
       
  • 長崎電気軌道
    • 【500形】502~506
       
  • 鹿児島市交通局
    • 【600形】611・612・カフェトラムC6(605)
       
  • その他
    • (能勢電鉄⇒三菱重工業)1554-1504(三原市のMTCで稼働中)
       

 
(※以下は保存車のみ)

  • 北大阪急行電鉄(保存車)
    • 2002(小倉商事 篠山保養所)
       
  • くりはら田園鉄道(保存車)
    • M153(旧若柳駅鉄道公園)
       
  • 大阪市交通局(大阪市電、保存車)
    • 3011(大阪市平野区 幼稚園内)
    • 3012(大阪市住之江区)
    • 3018(大阪市淀川区 小学校内)
       
  • 京都市交通局(京都市電、保存車)
    • 2001・703・890(梅小路公園 電車ひろば)
    • 705(京都府精華町 幼稚園内)
    • 720(京都市左京区 塚本児童公園)
    • 726(京都府亀岡市 小学校内)
    • 1860(大阪府枚方市 霊園内)
       
  • 京阪電鉄(保存車)
    • 1801(寝屋川車両工場)
       
  • 札幌市交通局(札幌市電、保存車)
    • 321(札幌市交通資料館)
    • 326(札幌市白石区 企業敷地内)
       
  • 東京都交通局(都電、保存車)
    • 5501(都電おもいで広場)
    • ※7000形や8000形はどの車両がナニワ製か不明なため、保存車にナニワ製があるかどうか不明
       

 



関連リンク

 

 


(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)

 
鉄道コム


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Tetsudo.comより)


 

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