【コラム】コウペンちゃんは『870円』のきっぷでどこまで行こうとしていたのか?

鉄道コラム

目次



前置き

2022年1月末までで惜しまれつつも運行終了した、
阪急電車の「コウペンちゃん号」ラッピング電車。

そのラッピングの中に、このようなイラストがありました。

コウペンちゃんが『870円』の切符を手に持っています。

この『870円』、もちろんコウペンちゃんの代名詞の1つである
「はなまる」のごろ合わせなのですが、ひねくれた筆者は

  • 「実際に阪急電車の駅で870円のきっぷは買えるのか?」
  • 「それを買ってどこからどこまで行けるのか?」

などと考えてしまったわけです。
Twitterには同じ考えの人はけっこういた模様

というわけで、調査してきました!!

 



調査ラウンド1

まずやって来たのは大阪梅田駅。

ここで券売機の上にある運賃表をながめると、神戸電鉄の連絡切符に

『870円』がある・・・!!

こんなに早く見つかってしまった。
(しかしこれだけならわざわざ記事化せずツイートで済む話なので、もう少しお付き合いください。)

870円の連絡切符を買うと、新開地で神戸電鉄線に乗り換えて、
粟生線の藍那駅、または有馬線の箕谷駅・山の街駅まで行くことができます。
(大阪梅田以外でも、中津・十三・川西能勢口~売布神社、神崎川・三国・南方も神戸三宮まで320円なので同額です)

また、園田・清荒神・宝塚~仁川(神戸三宮まで280円)から粟生線の木津駅、有馬線の谷上駅へという別ルートもあります。

当サイトはのせでん情報サイトなので、無理やり能勢電鉄に絡めるなら
「絹延橋 →(神戸三宮経由)→ 須磨浦公園」
というようなルートも870円になります。
(が、絹延橋駅の券売機では阪急より先の神戸高速線や山陽線の連絡切符を買うことはできません。)

 

しかしちょっと待ってください

コウペンちゃんといえば、

「生きとし生けるものすべてを肯定してくれる、コウテイペンギンの赤ちゃん

というプロフィールです。

そう、赤ちゃんなので大人運賃の切符を買うとは考えにくいのです。
(こどもが1人で電車に乗る時は、未就学児でも小児運賃になります)

さて、ラウンド2へ続きます。

 



調査ラウンド2

ここからは乗り換え案内サイトを活用します。

小児運賃で870円となると、大人運賃はその倍の1740円に近い値になると考えられます。
(連絡運賃の場合、それぞれの路線で10円未満の端数が切り上げになります)

ということで、それに近い運賃の区間を探していきます。
筆者は乗換案内は普段Yahoo!派なのですが、駅探を使うと小児運賃も表示してくれます。
駅探:https://ekitan.com/

阪急で最長区間(最大運賃)の区間は
「京都河原町⇔神戸三宮」の620円(小児310円)なので、
まずは京都河原町→神戸三宮→乗り継ぎ、のルートを考えてみます。

  • 京都河原町 → 神戸三宮 → 山陽姫路 : 大人1610円(小児820円
  • 京都河原町 → 神戸三宮 → 粟生 : 大人1470円(小児750円
  • 京都河原町 → 神戸三宮 → ウッディタウン中央 : 大人1450円(小児740円
  • 京都河原町 → 天下茶屋 → 関西空港 : 大人1610円(小児810円

京都河原町発では神戸方面だけじゃなく関空方面でも、
小児運賃870円には届きませんでした。

※なお、十三以西では天下茶屋経由ではなく大阪梅田経由が推奨されるため、
 券売機で関西空港ゆきの切符を買うことはできません。

 

ならば仕方ない・・・
無理やりにでも阪急の駅から1回の乗車で、と調べてみたところ・・・

高槻市 → 天神橋筋六丁目 → 堺筋本町 → 生駒 → 大和西大寺 → 大和八木 → 名張

という乗り換えが大人1740円(小児870円)になりました!!!
※天六まで大人270円または280円の区間が対象。
 ・京都線 茨木市~高槻市
 ・宝塚線 岡町~山本と箕面線
 ・神戸線 塚口~夙川と伊丹線・甲陽線・今津線の今津~小林

 

また、のせでんを無理やり絡めるなら

平野 → 川西能勢口 → 十三 → 淡路 → 天神橋筋六丁目 → 堺筋本町 → 生駒 → 大和西大寺 → 大和八木 → 榛原

という乗り換え経路も大人1720円(小児870円)になりました。

 

が。

阪急やのせでんの券売機では近鉄連絡の切符が買えません。
どうやらここが限界のようです。

 



結論

コウペンちゃんはな……

大人用の切符を撮影用に持たせてもらってただけなんや……

 


 

なお、行けるギリギリまでの切符を買っても、
上記(調査ラウンド2)の乗車経路では生駒駅の乗り換え改札が壁になります。

  • ここでのりこし精算が必要。
  • 切符・ICカードで乗車の場合とも、そのままでは乗り継ぎが多すぎて精算機が対応せず、生駒駅の改札窓口で手動精算してもらうことになるかと思います。駅員さんの手間をかけさせてしまうので実際にやってみないように
  • そもそも中学生以上の方は小児運賃の切符を買って電車に乗らないように。
     

また、乗車駅を阪急にこだわらず、阪急を経由路線として生駒駅の壁を通らずに済ませるには

山陽東二見 → 新開地 → 十三 → 淡路 → 天神橋筋六丁目 → 堺筋本町 → 新石切

という乗り換え経路が大人1710円(小児870円)になります。
これが一番現実的なところでしょうか。

なお降車駅では、結局乗り継ぎが多すぎて
手動精算してもらわないと出られない気がしますので実際にやってみないように

 

 


(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)

 ※本ページには各種Web広告を設置していません。

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