【のせでん・阪急】回数券廃止後、ICOCAで月に何回電車に乗ったらオトクになる?定期券の方がマシ?
本記事の運賃情報は、
2025年1月19日値上げ前のものとなります。ご注意ください。
目次
前置き
全国の様々な鉄道会社における回数券廃止の流れを受け、
阪急・能勢電鉄でも、回数券廃止と
2023年4月からのICOCAによるポイントの導入が発表されました。
ICOCAによる「能勢電車ポイント還元サービス」の開始と 回数券の発売終了について|ニュースリリース│鉄道情報|のせでん【能勢電鉄】
2022年8月にこのニュースが出た時点で既に非難囂々でしたが、
他社と同様にICOCAのポイント付与率が大改悪となっています。
ポイント付与の概要
概要をおさらいするとこんな感じです。(赤字が改悪ポイント)
事前に登録しておいたICOCAを使って(ICOCAの事前登録が必要)、
- ①同一月内(1日~末日)に11回以上利用した場合に適用
(※1~10回目は割引なし) - ②11~30回目はご利用額の10%のポイントを付与
31回目以降はご利用額の15%のポイントを付与 - ③対象路線の『同一運賃区間』で計算
(※運賃が異なる区間の利用は別々にカウント)
(※定期券の区間を除く)
となっています。
ひどいったらありゃしないです。
でもコレ、のせでんさんが悪いんじゃなく鉄道業界全体がこんな感じになってます。
従来の回数券はこんな感じ。
- ①購入月の翌月から3か月の末日まで有効
- ②10回分の運賃で11回乗車できるため、初回から約9.09%の割引
(時差や土休日の回数券はさらに割引) - ③運賃が異なる区間の利用は乗り越し精算で対応できた
この頃の回数券を返してください。
(2023年4月末に発売終了なので、7月末までで利用も完全終了となります。)
※身体障害者割引、知的障害者割引用の回数券は引き続き発売されます。
どこだよ最初にこんな●●割引期間&●●割引率を考案して全国に波及させた鉄道会社は。
<新旧サービス比較図>
回数券 | ICOCAポイント |
---|---|
購入月の翌月から3か月の末日まで有効 | 同一月内(1日~末日)に11回以上利用した場合に適用 |
10回分の運賃で11回乗車でき、初回から約9.09%割引 (時差や土休日の回数券はさらに割引率UP) | 1~10回目は割引なし 11~30回目はご利用額の10%のポイントを付与 31回目以降はご利用額の15%のポイントを付与 |
全区間共通で、運賃が異なる区間の利用は乗り越し精算で対応できた | 対象路線の『同一運賃区間』で計算 (※運賃が異なる区間の利用は別々にカウント) |
定期券なら1ヶ月に何回乗車で元が取れるのか
ここまで割引率がひどいと気になってくるのは、
『定期券を買うのとどっちがマシなのか?』
という点ではないでしょうか。
定期券なら区間内なら入出場自由&途中の駅でも乗り降り自由。
ICOCAの乗車よりもさらに便利ですが、そこを考慮に入れずに地道に計算してみました。
こちらの図表は、
後から付与されるポイントを差し引き、
実質いくらの運賃が必要か、そして定期券なら何回乗車で元が取れるのかを算出したものです。
(表が横長なので、スマートフォンの方は横向け推奨です。)
だいたいこんな結果になりました。
- 通勤1ヶ月定期の場合は「約41~42回」
- 通勤3ヶ月定期の場合は「約39~40回」
- 通勤6ヶ月定期の場合は「約37~38回」
の乗車予定があるなら、定期券を買う方が安くなります。
(それぞれの回数は片道なので、往復の場合は2で割って下さい)
実際には1ヶ月のうち何回かは
定期区間の途中駅で下車する可能性を考えると、
この回数はさらにもう少し減ると言ってもよいでしょう。
割引率は実際どのぐらい変わる?
(2023/06追記)
ここまでボロクソに批判してきたICOCAポイント付与ですが、
実際の所は回数券と比べて、どのぐらいの割引率になるのでしょうか。
ここでは阪急・能勢電ともに設定がある「330円区間」を例に図にしてみました。
※他の運賃区間でも割引率は同一です。
青字がおトクになる方です。
意外や意外、同一月内かつ同一運賃区間に限定すれば、
ICOCAポイント付与の方がおトクになるパターンが多くなっているようです。
これだけを見れば、紙の回数券を廃止して
ICOCAポイント付与にするのも理にかなっているように見えます。だがその「同一月内かつ同一運賃区間」こそが最大のネックなんだよ・・・!!
ちなみに阪急は
のせでんの親会社の阪急でも、2023年4月から同様のポイント還元が始まります。
ICOCAによる「阪急電車ポイント還元サービス」の開始と回数券および往復乗車券の発売終了について(PDF)
そこで当記事では、こちらの運賃表(PDF)をもとに
阪急でもポイント差引後の実質必要になる運賃と、
定期券なら月に何回以上の乗車で元が取れるか計算してみました。
(表が横長なので、スマートフォンの方は横向け推奨です。)
※阪急は鉄道駅バリアフリー料金制度が適用されて2023年4月より値上げするため、値上げ後の運賃で計算しています。
※阪急は定期券運賃が1km単位で設定されているため、表中では「主要行先」として川西能勢口駅から主要駅までの定期代として計算しています。
結果はこんな感じ。
同じ初乗り区間でも、1kmと4kmではかなりの差が出ます。
6ヶ月定期なら月あたり26回の乗車(13往復)で元が取れる区間もあれば、
1ヶ月定期だと月あたり45回も乗車(22.5往復)しないと元が取れない区間も……
阪急側は様々なようです。
1回乗車の運賃が切り替わる場所に近い(kmが少ない)ほど
定期代も若干とはいえ安くなるため、
定期券の方がお得になる傾向が強くなります。
ちなみにちなみに
のせでんの駅では未だに貼られている
『一部の券種を除き、改札機では2枚投入できます』
という表示。
これはパストラルカードやレールウェイカードが
改札機で使用できた頃の遺物名残です。
2023年1月現在は、
- 合計金額がピッタリ一致する未使用回数券を重ねて入れる
- 区間が連続する磁気定期券を重ねて入れる
といった、ごく限られた条件下でのみ2枚投入が可能です。
回数券の廃止によって、この「2枚投入」も定期券以外は不可能になってしまいます。
<利用可能な例>
阪急線で川西能勢口駅までのきっぷや磁気定期券で入場し、多田駅で230円の未使用回数券と重ねて出場【終了】川西能勢口駅で160円回数券で入場し、日生中央駅でもう1枚の未使用160円回数券と重ねて出場【終了】- 金券ショップで購入した阪急全線有効の株主優待きっぷで入場し、
能勢線の駅でこれまた金券ショップで購入した能勢全線有効の株主優待きっぷと重ねて出場 - 阪急線で川西能勢口駅までのきっぷや磁気定期券で入場し、
平野駅で「川西能勢口~のせ平野(以遠)」の磁気定期券と重ねて出場
≪参考≫(過去記事)
【いまどき】改札機にきっぷを『2枚かさねて』投入って、どんな時にできるの? | NOSE KNITs
編集後記
回数券は3ヶ月あったからよかったのに。
???「1ヶ月でこんなにたくさん電車に乗るぐらいならもう定期券買うよ。」
・・・そうはならんやろ~~!
パストラルカードよ、お前もか。#能勢電鉄#能勢電報告 pic.twitter.com/ZeQrPfzPqz
— nirvash@Nose KNITs (@FR_nirvash) January 14, 2023
(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)
【直近の鉄道イベント情報】
(Tetsudo.comより)
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