【川西市⇔大阪市】阪急とJR、移動はどっちがいいのか?(2023年版)

川西市,鉄道コラム

目次


前置き

のせでん沿線から大阪・梅田方面へ通勤やお出かけするには、
(鉄道の場合は)川西能勢口までのせでんで移動してから
阪急電鉄JR西日本(以下「JR」)の2通りのルートがあります。

  • 阪急電鉄:川西能勢口~大阪梅田
  • JR   :川西池田~大阪(or北新地)

それぞれに長所と短所があり、同じ行き先であれば
「どっちで行こうかな~」と迷うこともあるかもしれません。

また企業イメージで選択されることもあるかもしれません。

2005年には福知山線の脱線事故があり、
安全性の観点からJR→阪急に一部のお客さんが流れたりしました。
(逆に今は某歌劇問題で・・・?)

そこで今回は(可能な限り)客観的に、
2023年時点でのそれぞれの長所と短所をリストアップしてみました。
 

<ご注意>

本記事の内容はあくまで(可能な限り)客観的なものであり、阪急・JRのいずれかの利用を推進するものではありません。
記事をお読みいただいた後の選択は皆さまの自由です。

また、片道運賃や定期券代などの各種運賃は2023年4月現在のものです。

 



利便性比較

ではここから、
『のせでんに乗って川西能勢口に着いた後、どっちに乗るか』
という観点から、それぞれの長所と短所を記載してみます。

なお特記の無い場合は
・『阪急利用』⇒『川西能勢口 ~ 大阪梅田』
・『JR利用』⇒『川西池田 ~ 大阪』
の区間を利用する前提となっています。

また定期券運賃については少々複雑なため、
これより下に別でまとめています。

 



阪急利用のイイトコ・不便なとこ

<イイトコ>

  • 片道暜通運賃は阪急の方が安い。(280円)
  • 途中で乗り換えて京都や神戸に行く場合も阪急の方が安い。
  • のせでんを降りた後、同じホームでダイレクトに乗り換えができる
    帰りも階段の上り下りだけでのせでんに乗り換えられる。
  • 日中も急行と各駅停車が10分間隔でやって来る。
  • 川西能勢口~大阪梅田の間は乗り換えが要らない。
  • 平日朝夕ラッシュの特急日生エクスプレスなら、川西能勢口の乗り換えすら不要。
  • 急行を見送れば、雲雀丘花屋敷始発の各駅停車でゆっくり座って移動できる。
  • とにかく始発が早い。
    (平日・土休日とも4時28分発。ただしのせでんからの乗換の場合は恩恵なし)
  • 逆に梅田から朝帰りになった場合も、始発は阪急の方が早い。
     

<不便なとこ>

  • 電車の乗車時間は阪急の方がゆっくり。(急行約22分)
  • 梅田エリアのうち西梅田・北新地方面に行く場合は、電車を降りてから梅田ダンジョンを歩く必要がある。
  • 急行に乗っても川西能勢口~豊中の間は各駅に止まるので、のんびり感がある。
  • 川西能勢口から終電で梅田まで移動する場合は、JRと比べると終電が早い。
    (平日・土休日とも23時38分発)

 



JR利用のイイトコ・不便なとこ

<イイトコ>

  • 電車の乗車時間はJRの方が早い。(快速約17分、のりかえ時間を除く)
  • 梅田エリアのうち西梅田・北新地方面に行く場合は、大阪駅ではなく北新地駅へ行く選択肢がある。
  • のせでんの始発に乗れば、新幹線の朝6:00の始発に乗り継げる。(参考画像
    (※平日かつ平野~絹延橋で乗車の場合のみ)
  • 快速を見送れば、川西池田で待ち合わせしていた各駅停車で座って移動できる。(一部時間帯を除く)
  • 遠方へ移動する場合は、青春18きっぷ等、JRの各種おトクな乗車券が使える。
  • 川西から終電で大阪まで移動する場合は、阪急と比べると終電が遅い。(平日・土休日とも23時48分発)
     

<不便なとこ>

  • 片道暜通運賃はJRの方が高い。(330円)
  • 川西能勢口駅から連絡デッキを10分弱にわたって歩く必要がある
  • 京都や神戸に行く場合もJRの方が高い。
    行き先が千里丘以東の場合、直接行くよりも大阪で一度改札を出て入り直す裏技を使わないと運賃がさらに跳ね上がる。
  • 朝夕ラッシュは列車の本数が多いが、日中は阪急に比べると少ない。
  • 川西池田~大阪の途中で、尼崎で乗り換えが必要な列車(北新地~京橋方面ゆき)が多い。
  • 阪急に比べると始発はゆっくり。
    (平日・土休日とも4時59分発。ただしのせでんからの乗換の場合は恩恵なし)
  • 梅田から朝帰りになった場合、阪急と比べると始発および到着時間が遅い。
  • アーバンネットワークの他路線との接続や直通が多いため、他路線の遅延の影響を受けやすい

 



どっちもどっちなとこ

  • 平日朝夕ラッシュの混雑率が高い。
  • 大阪(大阪梅田)から川西池田(川西能勢口)までの最終電車の時刻はだいたい同じ。
    詳細:JR線の早まった終電を少しでも遅くできる地域がある!?
    (※2021年の当サイト内記事ですが、終電の時刻は2023年現在も同じ。
     6分しか変わらないので、梅田のどこにいるかでどちらを選択するか判断することになるでしょう。)

 



運賃比較(定期券)

ここまでだと、のせでんからの川西能勢口で乗り換えでは
ほぼほぼ阪急を利用するしかない、と思われがちですが……

定期券代でJRが大きく巻き返しを図ります。

それでは、横一列にした表で
定期券代の違いを見ていきましょう。

まずは通勤定期です。

 阪急定期代
(川西能勢口~大阪梅田)
JR定期代
(川西池田~大阪)
通勤
1ヶ月
10,5809,900
通勤
3ヶ月
30,16028,210
通勤
6ヶ月
57,14047,520

片道1回乗車だと割高だったJRの運賃は、
通勤定期券になると途端にかなりの割安になります。

1ヶ月定期では微差(680円)なんですが、
6ヶ月定期になると阪急よりも9,620円も安くなります

いっぽう通学定期は以下の通り。

 阪急定期代
(川西能勢口~大阪梅田)
JR定期代
(川西池田~大阪)
通学
1ヶ月
中高大:3,590
小学生:1,800
大学生:6,530
高校生:5,870
中学生:4,570
小学生:2,280
通学
3ヶ月
中高大:10,240
小学生:5,120
大学生:18,620
高校生:16,750
中学生:13,030
小学生:6,510
通学
6ヶ月
中高大:19,390
小学生:9,700
大学生:35,280
高校生:31,750
中学生:24,690
小学生:12,340

さすがは沿線に学校の多い阪急
通学定期はJRよりも破格の安さに抑えられています。
阪急・JRとも、小学生の通学定期券は小児運賃ということで中学生の半額となっています。
(10円未満の端数は阪急は切り上げ、JRは切り捨て)

私立の幼稚園児や小学生でも
親御さんの財布に優しい価格設定になっていると共に、
大人になってからも阪急を御贔屓に……というロックインの目論見も感じられます。

 



JRの分割定期券のススメ

ここからは本記事のタイトル
【川西市⇔大阪市】を少し逸脱します。

当サイトをご覧の方の中には、
『のせでん沿線~川西能勢口』と『JR川西池田~京都方面』
という通勤をされている方もおられるのではないでしょうか。

たとえばこの
『のせでん沿線~川西能勢口~京都』
という通勤をされている方の場合、
以下①②③のいずれかで通勤経路が指定されていると思います。
(※ここでは選択肢が1つしかない能勢電鉄の定期運賃は計算から除外します)

  • ①【川西池田→京都】片道1,170円
    1か月29,710円 3か月84,680円 6か月160,460円
    • 対象の方が自由に通勤経路を申請できるパターン。
       
  • ②【川西能勢口→大阪梅田】+【大阪→京都】片道280+580円
    1か月27,720円 3か月79,030円 6か月144,260円
    • ①の定期代が高すぎて申請を通らず、
      梅田での乗り換えが面倒だけど安めの経路を勤務先の総務担当に指定されたパターン。
       
  • ③【川西能勢口→大山崎】+【山崎→京都】片道410+230円
    1か月22,230円 3か月63,400円 6か月116,270円
    • 問答無用で勤務先の総務担当から最安経路の運賃を指定されたパターン。
      通勤時間帯に山崎~大山崎を毎日わざわざ歩く人なんているかな?
       

ここで③を指定された方はどうしようもないんですが、
①や②の方は定期券を分割するという裏技で通勤定期券を合法的にかなり安くできます。

川西池田~京都へJRで移動する場合、
先述(JRの<不便なとこ>)の通り、
大阪で一度改札を出る裏技を使えば少し割安になります。

  • 川西池田⇒京都 = 1,170円
  • 川西池田⇒大阪 = 330円
  • 大阪⇒京都   = 580円
  • (川西池田⇒大阪)+(大阪⇒京都) = 910円。・・・あれれ~?

そもそも、なんでこんな裏技が存在するのか?
という詳細は本記事では割愛します。
詳細は電車特定区間についてのページやWikipediaをご参照ください。

 

この裏技がなんと通勤定期券でも適用可能。

①の『川西池田→京都』を大阪で分割するように
2枚の通勤定期券を買ったと仮定すると、以下のようになります。

  • ①A【川西池田→大阪】片道330円
    1か月9,900円 3か月28,210円 6か月47,520円
     
  • ①B【大阪→京都】片道580円
    1か月17,140円 3か月48,870円 6か月87,120円
     

いかがでしょうか。
(①A+①B)の通勤定期代は②のパターンよりも安い、

1か月27,040円 3か月77,080円 6か月134,640円

となります。
① と(①A+①B)の差額はなんと

1か月2,670円 3か月7,600円 6か月25,820円

となります。
1ヶ月や3ヶ月ではオトク額はたかが知れていますが、
6ヶ月通勤定期だとものすごい節約効果が見込めます。

さらに②「【川西能勢口→大阪梅田】+【大阪→京都】」
のルートの通勤定期券よりも少しお安くなっています。

 

こんな裏技、(売り上げが減るので)
JRの窓口係員さんは教えてくれません。

しかし、ちゃんとやり方が確立された方法で
2枚分のICOCA定期券を1枚で持ち歩くことも可能です。

2枚以上の「ICOCA定期券」を併用することはできますか。| FAQ | JRおでかけネット

モバイルICOCAでは不可、現金購入のみ対応など
制約はありますが、明日役立つ節約テクニックです。
(大阪⇔琵琶湖線で定期券を使って通勤している人は全員やるべき。マジで。)

ここでは「川西池田~京都」を例にしましたが、
ご自身の通勤経路にあわせてコメント欄でご質問いただければ個別に調査は可能です。
(例:「川西池田~新長田」「川西池田~高槻」など。
 西は三ノ宮、東は吹田らへんだと分割のメリットは無さそうです。)

 



編集後記

以上、(結局主観が混じりまくった)情報提供でした。

ご家庭のお財布事情のご参考になれば幸いです。

 

 




(NOSE KNITs – 能勢電鉄と沿線を応援するサイト!)

鉄道コム

 

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