古の能勢電鉄ホームページを発掘する(後編:インターネット黎明期)

のせでんコラム


 

 【Nose KNITs 4周年記念企画】 


目次



前置き

『ウェイバックマシン』(Wayback Machine)は、
アメリカ・サンフランシスコの非営利団体である
『インターネットアーカイブ』(Internet Archive)
保存しているウェブサイトを閲覧できるサービスです。

・・・以下省略!!(前編と同じになるため)

 
今回は、
「現在のURLになる前の、インターネット黎明期の能勢電鉄ホームページ」
がどんなものだったのかを紹介していきます。沼へようこそ。

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1997年・最古のアーカイブ

現在のURLに移転する前の能勢電鉄ホームページは
http://www.hankyu.co.jp/nose/
というURLでした。阪急王国の属国であることには変わりなし

※一時期『http://raq1.o-kini.or.jp/nose/』という
 URLに移転してますが、このドメインは
 『O-kini City』という阪急電鉄ネットナビが運営する
 電子ショッピングモールの一部だったようです。

このアドレスに残された最古のアーカイブは
なんと……1997年1月20日

「まだ生まれてない!!」
という方もおられるのではないでしょうか。

この最古のアーカイブを表示してみると・・・
こんな感じです。

最初はここまでシンプルなものでした。
(当時のパソコンの画面解像度を想定し、ウインドウサイズを640×480にしています。)

さらにここから、
「イベント情報」
「会社情報」
「不動産情報」
「鉄道情報」

に、それぞれジャンプできます。

(実際に見てみる場合はここから

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イベント情報

『レジャー施設』は、
汐の湯温泉、妙見山クッキングセンター、
るり渓ゴルフクラブ、妙見ケーブルの観光案内になっています。
(半角カナなのが時代を感じる……)

『観光情報』は、
妙見の水、日蓮宗関西総本山能勢妙見山、一庫ダム(知明湖)、あじさい寺 頼光寺、府民牧場、川西郷土館、屏風岩
といった沿線の名所へのアクセスが記載されています。
府民牧場ですって……涙)
(柏原・篠山町後川行ですって……涙)

また時期によっては妙見フェスタの案内も出ていたようです。

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会社情報

ここではありきたりですが、
会社概要や事業紹介が記載されています。

  • 1.会社概要
  • 2.経営理念と社章
  • 3.能勢電鉄の4事業およびグループ会社の紹介
    • (1)鉄道事業
    • (2)住宅事業
    • (3)賃貸事業
    • (4)妙見事業
    • (5)グループ会社

当時と今の会社概要の違いに驚き……

グループ会社では、以下の3社が紹介されています。
……いやグループ会社だったことを初めて知ったとこもあるぞコレ。すげぇ!!

  • 『能勢電産業(株)』
    • 能勢電鉄の直系子会社で、がん保険・損害保険代理店業、喫茶店や「のせでんスイミングスクール多田」の経営、不動産の賃貸業、携帯電話の販売などを多角的に運営。
    • のちに2004年に、現在の阪急阪神不動産に吸収合併されています。
  • 『るり渓開発(株)』
    • るり渓ゴルフクラブの運営会社。
    • こちらはまだ存続していますが、資本関係は解消されています。(時期不明)
  • 『(株)ザルツバーデン』
    • 能勢町の汐の湯温泉と、直営のレストランや喫茶の経営。
    • ザルツバーデンという名前は、汐の湯温泉内のTea roomの名前として残っています。
      (ドイツ語でザルツ=塩、バーデン=浴場。直訳!!)
      (現在HPが繋がらなくなっていますが、2024年2月のウェイバックマシンだとこんな感じ

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不動産情報

沿線のつつじが丘/東ときわ台の住宅分譲や、
駅構内などの賃貸物件、駐車場についての記載。

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鉄道情報

お待たせしました。へようこそ

鉱泉裏踏切から撮られたとおぼしき
フルーツ牛乳色の電車が、もう沼感をかもし出しています。

 



1.運輸の概要

路線の概要です。形や事業内容は変われど、現在のものとさほど変わらず。

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2.時刻表

各駅……ではなく時間帯別の全列車時刻表です。
各時間帯をクリックすると、全列車の時刻が画像で表示されます。

この頃は特急日生エクスプレスがまだ無く、ちょうど下りの日生急行があった頃。
そして日生急行が平野駅を通過していた最後のダイヤでした。
(今より1996年のダイヤの方が終電ゆっくりだったのか……)

一定の年代以上の方だと
黒字=妙見口ゆき』『青字=日生中央ゆき』
という色の刷り込みがあるのですが(要出典)、この頃はその色使いでした。

こんなものが、ウェイバックマシンには克明に残されているのです。

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3.運賃表

2025年1月からの値上げ発表
にわかに話題の能勢電鉄の運賃ですが、当時は運賃が安いですね・・・

しかし当時の消費税はまだ5%(1997年4月~)。
税抜き価格では2024年現在でもほぼほぼ変わっていないのです。

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4.路線図

大阪梅田から25Km圏内です!
(って表示される路線図の画像、当時の担当者さんはどうやって作ったのか……)

当時は不動産もやっていたため、
沿線開発図もあわせて載っています。
(不動産デベロッパーの名前まで……信和都市開発じゃないか!)

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5.車両の紹介

沼底へようこそ。

トップページと同じ1997年1月20日に
最古のアーカイブが保存されていましたが、
……表示されない。

HTMLソースは表示され、BODYタグは無事だったので
当時のHTMLを無理やり再現させてみました。

保有車両一覧!?

車両の寸法!?

車両の主要諸元!?

こんな超有害(褒め言葉です)なシロモノが
平然と公式ホームページに載っていたですって???

今では図書館などで探してようやく閲覧できたり
イベント参加者特典として配られたりするような
寸法などの超貴重なデータが、当時はタダで見放題だったのです。
(インターネット黎明期、ケータイでWebに接続できる人もわずかでした)

そういった経緯で、公開されていたのかもしれません。
(なお後述しますが、阪急側でも似たような沼ページがありました)

<アーカイブされていたページの一覧>
(1997年だけでなく2004年頃までのものも含む)

こんなTHE☆沼へようこそな『車両の紹介』ページ。

こんな素敵なファンページでしたが、
後述の2004年8月頃のサイトリニューアルの際に全て無くなってしまいました。

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2000年頃のアーカイブ

静止画ではわかりませんが、上の電車のイラストは画面右から「やって来ます」。時代ですねぇ。

(2000/09時点のトップページのアーカイブ

2000年6月頃にトップページのデザインが一新。
どことなくフルーツ牛乳色を意識した配色になっています。
(タイトルも『Noseden Home Page Ver2』に変わっています)
(当時のパソコンの画面解像度を想定し、ウインドウサイズを800×600にしています。)

 

<アーカイブされていた代表的なページ>

(1997年のページからほぼ変更がないものは除きます。)
(車両の紹介は先ほどまとめて紹介したので除きます。)

今では「クソダサ」なんて言われる角ポップ体も、
当時はメジャーなものでした。

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2002年頃のアーカイブ

(2002/06時点のトップページのアーカイブ
(2004/02時点のトップページのアーカイブ
※2003年6月頃に、背景色がオレンジから黄色に変更。
 ちょうどその頃進んでいた
 車体のマルーン化にあわせたものかもしれません。

2001年頃からADSLが一般家庭にも広まり、世はまさにブロードバンド時代。
パソコンのOSもWindows 2000やXPが出始めた頃です。

この頃になると能勢電鉄さんのホームページも
画像が多用されるようになり、スルットちゃんの顔も見えています。

2002年夏~秋頃にはURLが最初期と同じものに戻されています。
(それまではリダイレクトしていた)

 

<アーカイブされていた代表的なページ>

「携帯ストラップ」に「ビデオ」……当時のグッズにも時代を感じます。

 

ちなみに能勢電ファンなら
誰もがむちゃくちゃお世話になった(?)、
能勢電鉄ファンサイトの元祖ともいえる
『のせでんスクエア』さんは2002年1月に開設。

残念ながら2019年頃に閉鎖されてしまいましたが、
こちらもウェイバックマシンにアーカイブが多く残されています。
(2002年2月 のせでんスクエアさんの最古のトップページ

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2004年頃のアーカイブ

(2004/08時点のトップページのアーカイブ

2004年8月頃にリニューアルが行われ、各ページのデザインが一新。
手作り感が失われ、あの沼なページ群も無くなり、
2005年以降のスタイリッシュなページとほぼ同じデザインになっています。
前回の記事の画像と比較すると、このフォーマットのまま移転したと思われます)

 

<アーカイブされていた代表的なページ>

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ちなみに阪急は

阪急電鉄のホームページが
アーカイブされた最古の日時は、協定世界時(UTC)で
1996年12月20日 3時34分35秒なんでや!!!

当時のページを少しだけ紹介します。

 
こんな回転するGIFが……時代を感じます。

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阪急電車博物館

おや、トップページに何やら気になる
『阪急電車博物館』なるワードが……ポチッ。

\NU★MA/

 
なんですかこの電車博士なページは……
これを当時の社員さんが公式で作っていたなんて……(称賛)

能勢電鉄に移籍した車両のページまで……(感動)

 

ここであまりネタバレをしても仕方ないので、
続きは皆さん自身でご確認くださいませ。
Hankyu Rolling Stock Home Page(1996/12/20)

なお、これらの沼は2001年4月頃に、
全て埋め立てられてキレイに無くなってしまったようです。涙

 

(なお阪急公式Twitterでも2020年に話題に……)

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編集後記

ゼェ、ゼェ……
(なんとか沼から這い上がってきた声)

 

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(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)

 
鉄道コム


【直近の鉄道イベント情報】

Tetsudo.comより)


 

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