【いまどき】改札機にきっぷを『2枚かさねて』投入って、どんな時にできるの?

のせでんコラム,鉄道コラム

目次


※2023/04変更:
本文に記載の各運賃を鉄道駅バリアフリー料金制度による阪急線内の運賃値上げに対応しました。
 


前置き

阪急・のせでん沿線にお住いの20代以上の方だと、
ICOCAPiTaPaが台頭する以前には

  • ラガールカードパストラルカードで電車に乗っていた
  • カードの残額が無くなると、別の残高があるカードと『2枚重ねて』改札を出ていた
  • 定期券で乗り越ししたら、カードと『2枚重ねて』改札を出ることで自動精算されていた

なんて思い出がある方も多いはず。
また、様々なデザインのカードをコレクションしていた方もおられるかと思います。

なつかしのパストラルカード

しかしICOCAやPiTaPaの台頭で、
ラガールカードやパストラルカード・後継のレールウェイカード
改札での利用は2019年9月30日をもって終了。

2022年4月現在、これらのカードは以下の用途のみに使用可能です。

  • 阪急電鉄各駅・能勢電鉄川西能勢口駅・山下駅での『払い戻し』
  • 郵送での払い戻し阪急能勢
    • それぞれの払い戻しは、2033年9月末までの予定
  • 券売機での乗車券購入
    • ※阪急の一部の券売機以外では終了済み
  • 乗り越し精算機での使用
    • ※阪急・能勢・北大阪急行でも2023年9月終了予定
    • ※阪神では2022年9月末で終了済み

 

では、かつて行われていた想い出の
「改札機に乗車券を2枚重ねて出る」
という行為は果たして今でもできるのか・・・?

(※Osaka Metroのように残高制の磁気カードが現存している所はさておき、阪急や能勢電鉄において)

改札機にはのりこし精算時2枚投入できますって書いてあるので、
そもそも出来ますよね?

のせでんチャンネル(能勢電鉄公式YouTube)でも
2枚重ねて投入したときの改札機内部の紹介やってましたし……

 

ということで、まとめてみました!

 



2枚投入可能なパターン

阪急電鉄HPでは、以下のページに

  • 「改札機にきっぷを2枚投入できる場合」
  • 「2枚投入で改札機をご利用いただけない場合」

が明記されています。

券売機・改札機|乗車券のご案内|阪急電鉄

 

これによると、以下のパターンで2枚投入が可能です。

※当サイトはのせでん沿線応援サイトなので、下記の例は能勢電鉄の区間で記載しています。
 実際の検証はできていないものがあります。

  • ①下車時に他社線連絡の乗車券を使用する場合
    • 例:大阪梅田から豊中までのきっぷで、池田駅まで乗り越し。
      下車の際に「豊中~能勢電鉄多田」の磁気連絡定期券と2枚投入。
  • ②乗車時の乗車券が阪急線まで有効でない場合
    • 例:能勢電鉄の「日生中央~のせ平野」のきっぷで大阪梅田駅まで乗り越し。
      下車の際に、「能勢電鉄のせ平野~大阪梅田」の磁気連絡定期券と2枚投入。
    • 例:阪急電鉄の川西能勢口駅まで有効なきっぷ又は磁気定期券で能勢電鉄線内まで乗り越し。
      下車の際に、「能勢電鉄川西能勢口~下車駅」の磁気定期券と2枚投入。

 

また、これらとは別に、
「2枚の合計がちょうど対象区間の運賃と一致」
するきっぷや回数券があれば、2枚重ねて出場することが可能です。

阪急線内では、以下の4種類の組み合わせが該当します。
(2022年現在。「回数券」と記載の部分は、入場時は通常の磁気きっぷもOK)

  • 380円区間 =「190円の回数券」+「190円の回数券」
  • 470円区間 =「280円の回数券」+「190円の回数券」
  • 630円区間 =「400円の回数券」+「230円の回数券」
  • 630円区間 =「470円の回数券」+「160円の回数券」

参考:阪急の運賃一覧(※PDF・2ページ目)

2023/04更新:
鉄道駅バリアフリー料金制度による運賃値上げのため、
以下の2種類の組み合わせが該当するように変わっています。

  • 480円区間 =「200円」+「280円」の切符または回数券
  • 480円区間 =「240円」+「240円」の切符または回数券

参考URL:
全駅にホーム柵を設置するとともに、全駅のバリアフリー化を目指します|鉄道情報 お知らせ|阪急電鉄

 

たとえば240円区間の回数カードを持った状態であれば、

  • 回数券(きっぷタイプ)に1枚振り替えて入場し、
    480円区間の駅で出場時に240円区間の回数カードと重ねて出る
  • 券売機で240円のきっぷを買って入場し、
    480円区間の駅で出場時に240円区間の回数カードと重ねて出る

といった行為が可能です。
それぞれ、支払っている合計金額は正規料金なので正しい乗車です。

このうち片方を使って水無瀬で入場した後、
380円区間である川西能勢口で2枚重ねて出場できる
(※この画像は旧運賃のものです)
阪急の回数カードを券売機に入れると、
このような画面が出て
当日のみ有効な回数券(きっぷタイプ)に振り替えができる

能勢電鉄線内では、

  • 320円区間 =「160円」+「160円」の切符または回数券

のみがこれに該当します。
以下の2パターン5種類の区間が320円区間に該当します。

  • 「川西能勢口 ⇔ 日生中央」
  • 「川西能勢口 ⇔ 光風台」
  • 「川西能勢口 ⇔ ときわ台」
  • 「絹延橋 ⇔ 妙見口」
  • 「滝山 ⇔ 妙見口」

 

また、連絡区間においても、
それぞれの運賃の合計が一致していれば2枚重ねて投入できます。

たとえば「阪急の200円のきっぷ」を使って蛍池から乗車し、
能勢電鉄の絹延橋まで乗り越して
「能勢電鉄の160円の回数券」と2枚重ねて改札機に入れれば
阪急200円+能勢160円で合計が一致しているため正しく出場することができます。

絹延橋駅で、この2枚を重ねて出場可能
(※この画像は旧運賃のものです)

逆も同様で、能勢電鉄の絹延橋から「能勢電鉄の160円のきっぷ」で乗車し、
阪急の蛍池まで乗り越した場合、
能勢電のきっぷと阪急の200円の回数カードを2枚重ねて出場できます。

(※後述しますが、この場合に精算額である200円をこえる運賃の回数カードは使えません。)
(※逆に、精算額に満たない回数カードがある場合は、のりこし精算機に入れることでその金額分の現金と同じ扱いが可能です。)

 



2枚投入不可なパターン

先述の阪急電鉄HP(券売機・改札機|乗車券のご案内)にある
「2枚投入で改札機をご利用いただけない場合」によれば、
以下のようなパターンでは2枚投入ができません。

  • ①下車時に不足金額を超える券面表示金額の回数券を使用する場合
    • 例:神戸三宮駅から岡本駅までのきっぷ(200円)で十三駅まで乗り越し。
      下車の際に不足金額(130円)に対して290円区間の回数券と2枚投入。
    • ※不足金額を超える額面金額の回数券を使用する場合は、精算機も利用不可。
    • ※不足金額の精算時に使用する回数券が他社線連絡回数券の場合も利用不可。
  • ②乗車時の乗車券が大阪梅田経由の大阪地下鉄と阪急線との連絡定期券で、天六経由で乗車の場合
    • 例:「Osaka Metroなんば駅~大阪梅田経由~茨木市」の連絡定期券で、
      大阪梅田を経由せず、天神橋筋六丁目を経由して、高槻市駅まで乗り越し、下車の際に回数券と2枚投入。
    • ※大阪地下鉄からの乗車券と大阪梅田経由の連絡定期券を
      天六経由でご利用いただいて、阪急線で降車される場合も2枚投入はできません。
  • ③団体数取券を使用する場合
  • ④入場券・出場証を使用する場合
  • ⑤券種(大人・小児など)が一致しない場合
  • ⑥他社線連絡のきっぷ・改札券を阪急線のみでご利用の場合

 

また、これらとは別に多いのが、

【悲報】川西能勢口から阪急の回数カードで能勢電鉄線に乗ってしまう

というパターンです。

川西能勢口から阪急の回数カードで乗車して能勢電鉄の駅で
降りようとした場合、もちろん改札機は通れず、
のりこし精算機も使うことができません。

駅のインターホンで係員に問い合わせされている事象の
第1位という説(要出典)もあり、特に気を付けないといけない
ポイントと言えるでしょう。

 



最近の改札機の移り変わり

  • 1枚しか投入できなかった平成初期の改集札機
  • 2枚投入が可能になった改集札機

阪急の駅で導入が進む最新型の改集札機では
2枚投入のステッカーは無くなり、
コスト削減のためICカード専用の改集札機も増えています。

最新型の改札機と、同型のICカード専用改札機(奥)

 



編集後記

最新の改札機にも、
レガシー(=少年の夢)が詰め込まれています☆

だがICカード専用改札機、お前はダメだ。

  


(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)

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