【妙見の森】今後、別の事業者が引き継ごうと思ったらどれぐらいの費用がかかるのか?
目次
前置き
2023年の営業終了をもって、
惜しまれつつも廃止される予定の妙見の森。
事業を引き継いでくれる企業がいれば生き残れる……!
とは思うのですが、今のところ手を挙げる企業は現れていないそうです。
そこで今回は、妙見の森を引き継ぐには
ざっくりいくらぐらいかかるのか、超概算してみました!
(※筆者個人の独断と偏見による超概算です。
実際の不動産等取引等においては、当サイトは一切の責任を負いません。)
内訳
ざっくりといっても、
何にいくらかかるのか試算した上で、その合計が想定費用となります。
1つずつ見ていきましょう。
土地
環境省HPの中に、以下のようなPDFが見つかりました。
・能勢電鉄社有地における里山林活動(PDF)
これによれば、2006年時点で
能勢電鉄さんが保有している妙見山の山林面積は約40ha。
また、川西市HP内にある2008年時点の以下の資料で、
山林の地価は1㎡あたり約6~19円との情報があります。
・住民監査請求に係る監査結果について(PDF)
ここではリスト内の真ん中の「13円」と仮定し、
40ha(40,000㎡)を掛けてみると・・・
およそ5,200万円との試算になりました。
もちろん、
実際には山林でない場所はもっと地価が高いでしょうし、
山林でも地価下落で減損している箇所もあります。
(妙見の森と呼ばれるエリアは上記の40haのうち2ha程度のようです)
あくまで本記事では「ざっくり」「超概算」なので、次へいきましょう。
車両
資産価値としてはほぼゼロ(後述)になっている車両ですが、
現在のケーブルカーの車両は1960年製。
(※1号車「ほほえみ」・2号車「ときめき」)
実は1700系を超える車齢を誇る「影のレジェンド」です。
しかしそれだけ老朽化が進行しており、
今回の妙見の森全体の廃止の一因にもなっています。
営業再開にあたってケーブルカーを新造するとなると、
型にはまった通勤電車とは異なり完全オーダーメイド。
それだけでも、それなりの額になりそうです。
また車両購入費だけでなく、山間部の黒川までの輸送費や、
そこから傾斜がきつい線路に搬入するコストも必要です。
搬入時のクレーン費用や、現在の車両を廃車して撤去するコストも必要です。
ざっくりいくら位かかるのか……
と他社のケーブルカーを調べてみたところ、以下のような記事が見つかりました。
<参考記事>
- 世界遺産「高野山」に向かうケーブルカー、新型車両が導入した新機能|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
- ケーブルカーに16億円!大山観光電鉄の戦略 ミシュラン獲得し国際観光都市になる起爆剤に | 特急・観光列車 | 東洋経済オンライン
- 車両価格のまとめ(立山ケーブル 約8500万円)
妙見の森ケーブルの場合は
2019年に巻き上げ機を新調したところなので、
上記の記事にある「総工費」ほどはかからないでしょうが、
それでも1~5億円ぐらいは見ておいた方が良いかもしれません。
その他資産
2021年度の決算報告書にて、妙見の森関連の施設は
4.5億円もの資産価値の減損に踏み切られています。
土 地 10,981千円
建 物 99,657千円
構築物 199,729千円
車 両 11,556千円
機械装置 113,620千円
工具器具備品 12,271千円
無形固定資産 2,540千円
計 450,359千円
(出典:能勢電鉄 第169期 貸借対照表及び損益計算書)
この中で土地以外は
『その帳簿価額を備忘価額まで減額しております。』
と記載されており、
それらの資産価値がほぼゼロになったことを意味します。
経年劣化による部品の新調は当然必要になるでしょうが、
能勢電鉄さんから買い取るにあたってはタダ同然で手に入ると見てよいでしょう。
しかし、ケーブルと同様に老朽化が進む妙見の森リフトを
新しい設備に建て替える必要があるとなれば、この限りではありません。
<参考記事>
2022/06/21
再開後の経費
神戸新聞NEXTの妙見の森の廃止報道によれば、
年間2700万円の営業赤字だったとのこと。
(想定される内訳:ケーブルやリフトの運行や照明・妙見の水のポンプ等々に使用する電気代、ケーブルやリフトおよびバーベキューテラスで働くスタッフの人件費、その他清掃費や社外に広告を打つための広告宣伝費、etc.)
つまり仮に営業を再開した場合、
廃止前と同程度の売上であれば同程度の支出・赤字が見込まれます。
- 妙見の森ケーブル、営業終了へ 能勢電鉄 24年6月、バーベキュー施設や足湯も廃止 | 総合 | 神戸新聞NEXT
- 妙見の森ケーブル、12月3日に営業終了 半年繰り上げ、冬期休業前に廃止へ|社会|神戸新聞NEXT
結果発表
というわけで、だいぶアバウトな超概算ですが
『取得に数億、運営に年数千万』
という結果になりました。
これだけの費用を出資してでも事業を承継する・・・!!
という企業が名乗り出てくださることを祈るばかりです。
もっとも、土地売却にあたって親会社の阪急電鉄や阪急阪神不動産が首を縦に振るとは限りませんが。。。
(※くりかえし:筆者個人の独断と偏見による超概算です。
実際の不動産等取引等においては、当サイトは一切の責任を負いません。)
編集後記
なんにしても、2023年のシーズン中に
悔いの残らないように堪能しましょう♪
関連リンク
妙見の森フリーパス(1日乗り放題のお得な乗車券)|きっぷ案内|鉄道情報|のせでん【能勢電鉄】
(NOSE KNITs – のせでん沿線の魅力紹介WordPress)
【直近の鉄道イベント情報】
(Tetsudo.comより)
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