【車両紹介】スカイレールサービス200形電車

鉄道コラム


200形は、スカイレール(広島短距離交通瀬野線)の
開業に合わせて導入された2軸固定台車付客車である。

ロープウェーのような形状をしているが、
分類上は懸垂式のモノレールにあたる。


【本日は4月1日(エイプリルフール)です。】
(ただし記事の内容自体は、調査を重ね、正確性を追求しております。)

目次

 



年表

  • 1991年(平成3年):三菱重工業・神戸製鋼所が共同で実験線の建設と運営を行い、技術検証。
  • 1997年(平成9年)7月:200形 201~206が三菱重工業 三原製作所で落成。
  • 1998年(平成10年)8月28日:広島短距離交通瀬野線 開業とともにデビュー。
    • 203には広島テレビのキャラクター「ピッピ」のラッピングが施行されている。
  • 1999年(平成11年):鉄道友の会より第39回ローレル賞を受賞。
    • 傾斜地における新しい交通システムの先進性が高く評価された。
  • 2018年(平成30年)12月:平日夕ラッシュの増便を行うため、207を増備。
    • 翌年1月デビュー、6月のダイヤ改正で平日夕方の5分間隔運転が実現。
  • 2024年(令和6年)5月1日 – 路線廃止に伴い、全車廃車される見通し。
    • 増備車の207は就役からわずか5年半足らずでの引退となる見通し。
       

 



車両諸元

【主な仕様】

  • 車体はアルミニウム合金製の溶接構造、車輪はウレタンゴム製
  • 車両サイズ:車体長:3.3m 幅:2.1m 高さ:5.5m
  • 自重:2.5トン
  • 最大輸送能力:片道1時間あたり1000~3200人
  • 対応する路線長:1~4km
  • 路線形状:複線およびループ線に対応
  • 列車編成:単車
  • 車両定員:25人(座席定員8人)
  • 支持、案内方式:ソリッドウレタンタイヤ・2軸固定台車
  • 最密運転間隔:37.5秒間隔
  • 運行速度:18km/h
  • 加速度:最大2.5km/h/s
  • 減速度:最大3.5km/h/s
  • 最小曲線半径:30m
  • 最大勾配:27%(270‰)
  • 運行方式:無人運行可能
  • 支持方式:起動桁に懸垂
  • 主駆動装置:直流モータ駆動によるワイヤロープ牽引
  • 加減速装置:地上一次リニア誘導モータ
  • 電力方式:直流440V
  • 駆動方式(駅間):ロープで運行
  • 駆動方式(駅部):リニアモータで加減速
  • 制動方式(常用):リニアモータによる電気ブレーキ
  • 制動方式(非常):ロープ自体の停止
     

【保安上の考え方】

  • 軌道端部をループすることにより、車両は1方向運行となり正面衝突の危険性が無くなる。
  • ロープによる地上駆動方式のため、駅間においては一定の間隔が保たれ、追突の危険性が無くなる。
  • 駅部(ロープを放している間)においては、新交通やモノレールと同様の固定閉塞の概念で制御される。
  • ロープ駆動についてはスキー場のゴンドラ等で使用されている「単線自動循環式暜通索道」の技術基準。
  • 非常時には駅間に車両を停止させないよう、主要設備には冗長性を持たせている。
     

【特長】

  • 安全性・信頼性:上記の【保安上の考え方】参照。
  • 経済性:軌道や車両が軽量でシンプルとなり、建設費(AGTの約1/3)や運営費も節約できる。
  • 環境性:揺れの規制ができるため、省スペース。
  • 快適性・走行性・柔軟性:懸垂式のため床面は水平を維持でき、急勾配でも乗り心地を損ねない。車両が桁に沿って走行するので半径30mの急カーブにも対応可能で、登坂性能は27%と急勾配に強い。そのため柔軟な路線設定が可能。
     

【用途】

  • 導入空間が限られた都市内での輸送手段に!
  • 高低差のある場所間の移動手段に!
  • リゾートやテーマパーク内の効率的な交通アクセスに!
     
    ・・・と謳われていたが、他の場所で導入されることは無く、
    独自色の強さゆえに設備更新費用の面から2024年の廃止の運びとなった。
     
システム構成 画像出典:三菱重工技報 Vol.32 No.4 P.292
(※リンクはページ下部『関連リンク』より)

 



車両一覧

車番製造者製造年月備考
201三菱重工業1997年07月
202三菱重工業1997年07月
203三菱重工業1997年07月ピッピ号
204三菱重工業1997年07月
205三菱重工業1997年07月
206三菱重工業1997年07月
207三菱重工業2018年12月増備車

 



ギャラリー

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出典・参考文献・関連リンク

ロープ駆動式懸垂型交通システム『スカイレール』の開発
(三菱重工技報 Vol.34 No.6(1997-11):国立国会図書館デジタルコレクション)

 

<エイプリルフール2024>




 

 




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